人と写真を撮りに行く

 8月にカメラを購入してから早四カ月。誰かと撮りに行くときに持ち出している。友人と遊んだ時や大学にも持っていきたいところだけど、今の時代カメラ趣味でない人の前でファインダーを覗くのはちょっと躊躇われる。

 

 

 誰かとは書いたが、実際その誰かは固定の一人。僕にとって、大切な人。

 

 初めは何かいい絵が取れればなー、なんてことだけを考えて、単にガシャガシャ撮っていた。写真を撮るのも楽しい。誰かと撮っていることも楽しい。たまにお互いも撮ってみる。これも楽しい。

 

 

 

 しかしカメラにはもう一つの楽しみがある。出てきた絵を鑑賞することである。昔はフィルムを大事に持ち帰って現像に出して人にあげる分余分に作って…という工程があったろうに、今はカメラの液晶で確認できるうえに、直接スマホに送ってSNSでシェアできてしまう。いやはや現代の技術力よ。まあディスプレイの性質やSNSの画像容量制限に左右される部分はあるから、拘ればもう少し手順は増えるんだろうけど。

 

 とにかくそうやって写真を見せあってみると気づくことがある。写っているものが同じではない。


 被写体が溢れているときは、撮っているもの自体が違う。僕が窓から見える景色を撮っている間に、室内の小物を撮っていたりする。
 同じ被写体に向かっているときでも、出てくる絵は全然違う。カメラやレンズの性能はもちろん、被写体の見せ方、角度、現像や加工の仕方…

 

 違って当たり前、それはそうなのだが、言葉を交わしたり一緒に過ごしたりするのとはまた違う方法で相手のことが知れた気がして、なんだか嬉しかった。これからも一緒に写真を撮りに行きたい。